最終更新日 2021年8月26日
ご相談
Xさん(40代・女性・会社員)は、夫Y(40代・男性・会社員)のモラハラ言動がXさんのみならずお子さんにまで影響を及ぼすようになってきたため、
それに耐え兼ね、Yとの離婚を決意しましたが、ご自身では到底Yとの交渉ができそうにないとのことでYとの離婚交渉を依頼するため当事務所を訪れました。
当事務所の活動
当事務所は、受任後、Yに対して離婚条件の調整等の交渉を求めましたが、Yはほどなく代理人を就け、本件に関する話し合いには調停手続でのみ応じる旨求めてきたため、当事務所は、離婚調停とともに婚姻費用分担請求調停を申し立てました。
しかし、各調停における互いの主張には対立点が多く、特に、婚姻費用については、Xさんがお子さんの私立学校の学費を考慮した相当額の支払を求めたのに対し、YはXさんの求める金額を支払えるだけの経済的な余裕がないとの主張で、互いの主張の乖離が大きい状態でした。
そこで、当事務所は、婚姻費用の金額が、後に養育費の金額を議論する際にも影響する問題であることから、まずその点について主張立証を尽くすこととし、双方の年収を基にした婚姻費用の相当額を明示した上、
Yが子の進学を許容していただけでなくそれを後押ししていたことに関する事実を調停において具体的に明らかにするなどお子さんの進学に関する費用についてYも相応の負担を負うべきであることについて具体的な主張立証を重ねました。
その結果、婚姻費用に関する家事審判において、Xさんの主張が全面的に採用された有利な判断を受けることができました。
活動の結果
その後、当事者間の紛争は、お子さんの親権や離婚の点など合意できる点から結論を先に出し、残る養育費の問題を引き続いて調停・家事審判において議論するという流れになりましたが、
養育費の点については、紛争序盤の争点であった婚姻費用の問題でXさんにとって有利な結論を得られた影響が大きく働き、最終的に、養育費の額についてもお子さんの私立学校の学費を考慮した相当額の支払を受けるというXさんの求める内容を実現することができました。
解決のポイント
婚姻費用や養育費の問題は、双方の年収が議論のスタートとなる問題で、多額の金銭の支払を拒む相手方から経済的な余裕がないなどの理由で低額な提案しかなされないということがよくあります。
もちろん、婚姻費用等について双方の収入を考慮した法的に適正な金額が低い金額である場合もありますが、
そうでない場合に、調停においてこちら側の主張を的確に実施しないと、場合によっては、相手方の主張に重きが置かれ、泣く泣く低額な金額で合意するなどという事態が生じかねません。
今回の事案では、これまでの当事務所が培ってきた豊富なノウハウを駆使し、特に婚姻費用・養育費の金額に関し、あるべき金額についての主張立証をしっかりと行い、依頼者にとって内容面で満足のできる結果を実現することができました。