相手と話ができない方へ

- お互い感情的になるので,話ができない
- 夫に言い負かされるので,話ができない
- 夫のDVが怖くて話ができない
そのようなお悩みをよく聞きます。
ことによると,不貞や離婚条件のお悩みよりも,
「相手と話ができないんです」
というお悩みを聞くことのほうが多いかもしれません。
夫や妻と話ができない事情はさまざまです。
多数のご相談をお受けしてきて,典型的なケースは以下のとおりです。
お互い感情的になってしまうケース
- 家事を分担してほしい
- 生活費を支払ってほしい
- 離婚に応じてほしい
そうした気持ちを伝えると,相手も言い返してくる。
お互い感情的になるので,きちんと話ができない。
こうした状況が,「話ができない」とのご相談の中で最も多いケースです。
このケースは,要するに性格の不一致ということになるでしょう。
このケースでは,相手と話ができれば,婚姻費用や離婚の合意の余地があります。
ただ,当人同士では,感情的になってしまうので,信頼できる第三者を立てて話し合うことが大切です。
夫のモラハラが原因のケース
- 夫に普段から馬鹿にされているので,話を切り出せない
- 夫がいつも正論を振りかざし,言い負かされるので,話を切り出せない
- 夫からなじられたり,脅されたりするので,話を切り出せない
こうした精神的DV,モラハラ(モラル・ハラスメント)がらみのケースが,「話ができない」とのご相談の中で,次に多いケースです。
一見,上記の性格の不一致と似ているように思えますが,モラハラは性格の不一致とは異なります。
まず,多くの場合,夫が加害者,妻が被害者になります。
また,夫は,自分が正しいと思っているので,自分が加害者だと思っていないことが多いです。
他方,妻も,自分が悪いと考えがちなので,自分が被害者だと思っていないことが多いです。
そのため,被害が顕在化しないまま深刻化し,妻が適応障害やうつ病を発症することもあるようです。
このケースでは,妻が,まず被害を認識することが大切です。
そのうえで,夫と交渉するのですが,ご自身で交渉すると,さらにモラハラを受け,交渉を断念させられるおそれがあります。
モラハラ夫は,独善的で強情なので,話し合っても合意に至ることは稀です。
そこで,法的手段による解決を図るため,早めに信頼できる弁護士に相談しましょう。
夫のDV,暴力が原因のケース
日ごろからDVを受けていると,さらにDVを受けるのが怖いので,話ができないのは当然です。
また,日ごろからDVを受けていなくても,2,3回シリアスなDVを受け,それがトラウマとなり,話ができなくなることもあります。
このケースでは,妻は被害を認識していますので,まずは,勇気をもって,夫に気づかれないように,警察や配偶者暴力相談支援センターに相談することが大切です。
弁護士は,DVそのものを阻止するというよりも,刑事告訴,DV保護命令申立,離婚などの手続を代理するものとなります。