最終更新日 2022年8月26日
ご相談
Xさん(30代、女性、会社員)は、Yさん(30代、男性、会社員)と離婚に向けて話し合いを重ねてきましたが、条件面での折り合いがつかず、自ら離婚調停を申し立てました。
しかし、財産分与や養育費に関する問題が複雑に絡まり合っており、調停の場でも思うように話し合いが進めることができませんでした。
特に、Yさんが住宅を取得することになり、夫婦の連帯債務となっていた住宅ローンをYさんに一本化しようとしていたのですが、金融機関での審査が通らず、ローンの借り換えができないことが問題を複雑化させていました。
そこで、Xさんはそのような状況を解消し、何とか有利な条件で離婚をしたいと考え、当事務所を訪れました。
当事務所の活動
ローンの一本化が不可能である以上、連帯債務が残ることを前提に、Xさんに不利益が及ぶことのないような条件で離婚をすることが重要となります。
そこで、当所では、今後生じ得るあらゆるリスクを想定して、それに対処するための調停条項案を作成するとともに、Yさんの理解を得るべく、粘り強い交渉を続けました。
活動の結果
Yさん側も当初はこちらの調停条項案に難色を示していましたが、調停内または調停外で話し合いを重ねたことにより、最終的にはYさん側の理解を得ることができ、こちら側の提示した調停条項案で離婚をすることができました。
解決のポイント
協議での離婚が難しい場合に、自分で離婚調停を申し立てる方もいらっしゃいます。
しかし、調停を申し立てても、調停委員会が解決に導いてくれるわけではありません。
また、調停委員会はあくまで中立の立場にあるため、こちら側に有利な主張を組み立ててはくれません。
自分で調停を申し立てた結果、不利な条件で離婚をしてしまった、というケースはたくさんあります。
そこで、法律の専門家である弁護士が介入し、適切に主張立証を構成するとともに、専門知識に裏付けられた交渉を行っていくことが必要になります。
特に、本件の様に複雑な問題が絡まり合っているケースにおいて、弁護士の役割は必須です。本件では、比較的早期に弁護士が介入し、専門的な知識に基づいて、調停条項案を作成・提示する等の活動を行い、それを前提に相手方との交渉を重ねてきたことが解決の決め手となりました。