年金分割とは
最終更新日 2022年12月13日
- 年金分割とは年金を分けるのか?
- 自分の年金はどの程度増えるのだろう?
ここでは、そうした疑問にお答えします。
年金分割とは
年金分割とは、ひらたくいえば、公的年金について、夫の分を減らし、妻の分を増やすことです(婚姻中の標準報酬が、夫がよりも多い場合)。
正確には、年金分割とは、婚姻期間中の標準報酬を按分割合により分割改定することです。
そもそも厚生年金には、現役時代の報酬(給料など)に比例して支給される部分(報酬比例部分)があります。
ここにいう報酬は、年金の計算では、金額に応じ標準報酬に引き直されます。
たとえば、報酬月額が33万8000円なら、標準報酬月額は34万円になります。
年金分割は、この標準報酬のうち、婚姻期間の分(これを「対象期間標準報酬総額」といいます。)について、夫婦の間でならすことにより、結果的に夫婦それぞれの年金額が変わり、年金が分割されたような形になります。
「年金分割」と聞くと、あたかも年金そのものを分割するように思われがちですが、そうではありません。
年金分割の対象となる年金
年金分割の対象は、年金の2階部分である厚生年金の報酬比例部分であって、1階部分である国民年金は年金分割の対象にはなりません。
年金分割の種類
年金分割には、
- 分割すること及び按分割合を当事者の合意等で決める「合意分割」
- 平成20年4月1日以降の一定の婚姻期間に限り一方の請求により自動的に按分割合2分の1で分割される「3号分割」
の2種類あります。
合意分割の場合における按分割合の決定
合意分割の場合、夫婦の対象期間標準報酬総額に着目し、その合計額の2分の1を上限、その合計額に占める少ない方の額の割合を下限として、その範囲内で按分割合を決めます。
合意分割の場合、按分割合は、夫婦間の協議によって決めることができればそれにより、協議により決めることができなければ、調停や審判等によって決めます。
年金分割の期間
合意分割、3号分割いずれも離婚から2年以内ですので、注意が必要です。
年金の問題は夫婦それぞれの生活設計に大きな影響を与える問題ですので、詳しくは弁護士に相談しましょう。