旦那や妻が失踪(行方不明)?離婚するための手続きについてご紹介

旦那や妻が失踪(行方不明)?離婚するための手続きについてご紹介

行方不明・失踪中の旦那や妻と離婚を考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

当事務所でも、そういったご相談をいただくことがあります。

こちらの記事では、行方不明・失踪中のパートナーとの離婚について弁護士が解説していきます。

行方不明・失踪中の夫や妻と離婚するには?

行方不明と離婚「行方不明・失踪中の夫や妻と離婚したいがどうすればいいかわからない」というご相談が当事務所に時折寄せられています。

そこで、行方不明・失踪中の夫や妻と離婚するための手続きについてお話しします。

一般的に離婚をするために訴訟を提起しようとする場合、まず、家庭裁判所に調停の申立てをしなければならないとされています(調停前置主義)。

ですが、夫や妻が行方不明・失踪中の場合には、話し合いによる解決はできないため、調停を経ずに離婚訴訟を起こすことができます。

その際、夫や妻の居所や住所など訴状を送達するべき場所がわからない場合、公示送達によって訴状を送達することができます。

公示送達とは、裁判所の掲示板に掲示し、送達した扱いとすることです。

管轄は、夫や妻の居所も住所もわからない場合、その夫や妻の最後の住所地の裁判所となります。

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夫や妻が行方不明・失踪中であるだけで離婚は可能?

離婚訴訟で離婚するためには、民法に定められている離婚原因が認められなければなりません。

では、夫や妻が行方不明・失踪中である場合、離婚原因が認められるのでしょうか。

3つの離婚原因から解説していきしょう。

「3年以上の生死不明」(民法770条1項3号)

まず、3年以上夫や妻が生きているか死んでいるかも確認できない状態が現在も引き続いている場合は、「3年以上の生死不明」(民法770条1項3号)という離婚原因にあたり、離婚できます。

しかし、これにあたらない場合でも、「悪意の遺棄」(民法770条1項2号)や「婚姻を継続し難い重大な事由」(民法770条1項5号)として離婚できる場合があります。

「悪意の遺棄」(民法770条1項2号)

「悪意の遺棄」とは、正当な理由なく夫婦の同居・協力・扶助義務を果たさないことをいい、正当な理由があるかどうかは、行方不明・失踪の経緯や、生活費送金の有無、行方不明・失踪の期間等を考慮して判断されます。

「婚姻を継続し難い重大な事由」(民法770条1項5号)

「婚姻を継続し難い重大な事由」というのは、婚姻関係が破綻し回復の見込みがないことを意味します。

裁判例では、事情によっては、1年程度の行方不明・失踪でも770条1項2号ないし5号の離婚原因が認められています。

また、行方不明・失踪中の夫や妻が途中で見つかったことがある場合でも離婚原因が認められている例もあります。

実際に当事務所が取り扱った事例でも、夫が行方不明・失踪中の場合に離婚訴訟を提起し、わずか1年程度の別居期間であっても離婚が認められています。

行方不明・失踪中の夫や妻との離婚を考える場合、「悪意の遺棄」や「婚姻を継続し難い重大な事由」が認められるかどうかの検討が必要です。

具体的な手続きの流れ(原告代理人弁護士が付いている場合)

原告代理人弁護士が付いている場合の具体的な手続きの流れについて解説していきます。

行方不明の夫(妻)の最後の住所地の裁判所に離婚訴訟を提起します。

離婚原因は、悪意の遺棄、3年以上生死不明、婚姻を継続しがたい重大な事由の全部または一部となります。

被告の主張立証が期待できないので、その分、訴状で原告側の説得的な主張立証が重要となります。

また、提訴の際、送達すべき場所が不明であるとの調査報告書等とともに、公示送達の申立ても一緒に行います。

すると、裁判所から、提訴から1か月程度後の日が初回期日として指定されます。

初回期日には、原告代理人弁護士と原告本人が出頭しますが、被告側はまず現れません。

公示送達のため、提訴されたことすら知らないでしょう。

訴状陳述、書証取調べの後、すぐに尋問に入ります。

尋問は、通常、原告本人尋問のみです。

ただ、被告の主張立証がない分、原告代理人による主尋問に加え、裁判所の補充尋問が比較的念入りになされます。

もっとも、原告に嘘がない限り、離婚を相当とするケースが多いので、尋問は白熱せず、1時間もかかりません。

そして、その日に弁論終結となり、判決期日が1、2か月程度先に指定されます。

判決期日に判決が言い渡され、その判決書が原告代理人事務所に送達されます。

送達後2週間が控訴期間ですが、その間に控訴されることはまずありませんので、控訴期間が経過すると、判決が確定します。

判決確定により離婚の効力が生じます。

しかし、そのままでは当然に戸籍は書き換えられません。

判決確定後10日以内に、判決謄本、確定証明書、従前の戸籍謄本(本籍地以外の市町村役場に提出する場合)を付けて、最寄りの市町村役場に離婚届を提出します。

離婚届の中で、配偶者の署名押印欄や証人欄は、空欄で構いません。

こうしてみると、行方不明の夫(妻)との離婚は、そこそこ大変です。

とくに訴状、公示送達申立書の作成、尋問は、素人の方にはハードルが高いでしょう。

当事務所では、こうした一連の手続きを代理させていただいておりますので、お気軽にご相談ください。

慰謝料の請求をしたい場合

慰謝料を請求できることもあります。

例えば、相手が浮気相手と駆け落ちをしたということが明確にわかっている行方不明・失踪中の場合は、不貞行為に対して慰謝料の請求が可能です。

また、勝手な失踪の場合は夫婦の同居義務・協力義務・扶助義務に違反しているとなることもありますので、その場合は悪意の遺棄として慰謝料の請求が可能です。

その他にも、養育費は子供の権利ですので、こちらも養育費の請求が可能です。

しかし、慰謝料請求となると相手の情報を特定しておく必要がありますので、探偵への依頼などが必要となります。

当事務所では探偵事務所様とのネットワークも築いていますので、お気軽にご相談いただければ幅広くサポートいたします。

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おわりに

旦那や妻が失踪・行方不明の場合に離婚するための手続きについてご紹介してきました。

パートナーが失踪・行方不明中でも離婚できることがわかっていただけたかと思います。

また、探偵事務所との連携なども必要にはなりますが、慰謝料請求自体も可能ではありますので、気になる方はお気軽に当事務所にご相談ください(予約制)。

この記事の監修者
弁護士・監修者
弁護士法人ひいらぎ法律事務所
代表 社員 弁護士 増田 浩之
東京大学卒。姫路で家事事件に注力10年以上。神戸家庭裁判所姫路支部家事調停委員。FP1級。

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